2018年7月15日日曜日

PCE2018に参加してきました

この学会に前回参加したのがPCE2008だったので,もうあれから10年経ったんですね……。当時は金がなく,海外はおろか飛行機に乗ること自体はじめてで,決死の覚悟で行ったのをよく覚えています。英語でボケてダダ滑りしたことも。今回はその雪辱戦でした(?)。
そこそこの人が聴きに来てくださり,お伝えしたいことも伝わったようで,かつウケてくださってよかったです(そこ?)。ぜったいウケをとりたいとか,関西人の血が騒ぐのよ……。
今回の学会ではポケトークがそこそこ活躍しました。もちろん万能ではないですけど,まあまあ使えました。外国語で苦労していて国際学会での発表をためらっている方は,購入を検討されてはいかがでしょうか。使うとウケます!(そこ?)
シュテファン大聖堂
ウィーン,また行きたいです。

2018年7月13日金曜日

独創と研究


任天堂のフォロワーとして,任天堂の独創の思想には明らかに影響を受けていて,娯楽だけでなく研究もそうだと思っています。

他の誰かにもできることをやってもつまらないし,エネルギーが出ないと思うんです。もちろん同じジャンルの研究をしている人がいてもいいけど,誰かに与えられたものではなくて,自分から出てきたテーマというのには必ず何らかのその人らしさというオリジナリティがあるし,そこに十分価値があると思うわけです。

自分の研究でいうと,地域臨床の研究は明らかにオープンソースの思想の影響を受けています。僕がパーソン・センタード・セラピーに親和性を感じる理由の1つにRogersのカウンセリングの録音記録の公開が挙げられますが,このことにもオープンソースと近いものを感じています。このあたり,いかにも自分らしいと感じています。そして,そのことを誇りに思っています。

ときどきでいいから,自分の研究は自分らしさのどこに由来しているものなのかを自問自答する必要を感じています。「おもしろい研究がしたい」とは常々願っていますけど,その「おもしろさ」の根っこは,この自分らしさにあるように思えるからです。

もしそのテーマが自分の外側にあって,自分でなくてもやれるようなことだったら,それはとても危険なことのように思います。「あなたが大切にしているものは何?」という問いに,誰か他の人が用意した答えではなくて,自分自身の言葉で答えていけるようになりたいものです。

2018年7月3日火曜日

うぶんちゅ! まがじん ざっぱ~ん♪ vol.8に寄稿しました #ubuntujp

発売されてからブログを書くのが遅くなってしまいましたが,「Ubuntuではじめる楽しいゼミ運営」というタイトルで原稿を書きました。SlackのOSSクローンMattermostネタです。もともとはゲストページのつもりだったのですが,いくやさんの采配でトップページになってびっくりです。ありがとうございます。
ゼミ内のオンラインでのコミュニケーションに,Mattermostは最適解だと思います。LINEでのやりとりで苦労している大学の中の人の参考になりましたら。
はにゅうさんの「Ubuntuで心理学実験」は心理学の実験をされる方は必読です。臨床心理学の中の人ですが,いろいろ試したくなりました。kazken3の「いつでも始められるmpv」は動画再生ソフトに関する知識がアップデートされる内容です。他にも気になる記事がめじろ押し。ぜひひとつお買い上げくださいませ。

GPD Pocketを買った

GPD Pocket 2が出るという話もありましたが,学会発表に備えて買っちゃいました。なるべく荷物を軽くしたいですしね。
Windows 10での動作確認をしたあと,さっさとWindowsを消してUbuntuをインストールしました。最初に公式ISOを入れたものの,微妙だったので最新のBIOSにアップデートした上でXubuntu 16.04 LTSのISOをrespinして入れました。とても快適に動作しています。
変態キーボードなので,少なくともQとTabキー,BSとDELキーの打ち間違いは頻発しますね。まあ要は慣れなんでしょう。HHKB Pro 2も持っていこうかしら……。
GPD Pocketでデュアルディスプレイすると,本体のディスプレイが縦向きになってしまいます。これだとEvinceでプレゼンすると使い物にならないのですが,pdfpcを使うといい感じです。スピーカーノートを入れられるのも便利ですね。
なお,ノートはPDFと同一フォルダーの*.pdfpcにプレインテキストで保存されます。ノートを好きなエディターで編集できるのもよいです。
あ,スライドは完成しました。あとはノートです。頑張ろっと。

2018年7月1日日曜日

PCE2018(ウィーン)で発表します

パーソン・センタード・セラピーの国際学会PCE2018で発表してきます。7/9(月)20:30からのLate Night Sessionです。こんな夜遅くにやるんですね……? 要約の参考訳はこちら。
演題: コミュニティのための無条件の肯定的関心への挑戦: 病理参照枠を超えて希望を育むために
私は数多くのボランティアスタッフとともに,不登校や発達障害により学校生活が困難な子どもたちのための「コミュニティプレイセラピー(CPT; 押江ら,2015)」に参加しています。私はCPTにおいてパーソン・センタード・セラピーの中核条件を提供しようとしてきました。このプレゼンテーションではその中でも「無条件の肯定的関心(UPR)」を中心に取り上げます。
一般的に「不適応」とみなされる子どもの問題行動は,CPTでは必ずしも問題とはみなされず,自由な行動が許容されます。このような経験を積み重ねた結果として,子どもの「不適応」行動が改善される場面を目撃してきました。
技術が発達し、様々な病理学的メカニズムが次々と解明される私たちのコミュニティでは,多くの問題行動が病理学的モデルによって説明されます。たとえば本田(2013)は,日本では10人のうち1人が自閉症スペクトラムの特性を持っていると主張します。自閉症スペクトラムの視点から社会的コミュニケーションの困難を説明できるのは事実でしょう。しかし大石(2016)は,行動を病理とみなす視点が,人々をますます病理へと追いやる可能性を指摘しています。
Lietaer(1984)は,他者から条件つきの肯定的関心を受けた結果として価値の条件を獲得したクライアントに対して「逆条件づけ」としてUPRが機能していることを論じています。私の経験からUPRは,病理モデルによって条件づけられたこの時代のコミュニティに対する逆条件づけとして,ますます重要になってきていると思われます。
最大の問題はスライドも原稿もまだ完成していないことなのですが……。はたして間に合うのか?
つづく(のか?)