2013年12月31日火曜日

2013年を振り返ってみる

今年の業績をまとめてみる。

学会発表等

  1. 押江隆・小黒明日香・稲田一善(2013)定時制高校におけるPCAグループの実践的研究(I)──PCAグループの効果とそれをもたらした要因の検討 日本学校メンタルヘルス学会第16回大会(口頭発表)
  2. 小黒明日香・稲田一善・押江隆(2013)定時制高校におけるPCAグループの実践的研究(II)──グループ実施以前の要因の検討 日本学校メンタルヘルス学会第16回大会(ポスター発表)
  3. 山田嘉徳・村上祐介・押江隆・田中俊也(2013)「ピア・コミュニティ」活動における効果の検討──コミュニティの組織風土に着目して 第19回大学教育研究フォーラム(口頭発表)
  4. 押江隆・足立芙美(2013)学校に困難を抱えた子どもの居場所活動における心理臨床家の果たす役割──ボランティアとの関わりに着目して 日本心理臨床学会第32回秋季大会(ポスター発表)
  5. 押江隆・足立芙美(2013)学校に困難を抱えた子どもの居場所活動に関する研究(I)──心理臨床家の子どもとの関わりに着目して 日本人間性心理学会第32回大会(口頭発表)
  6. 三浦啓子・押江隆(2013)学校に困難を抱えた子どもの居場所活動に関する研究(II)──わが子の居場所を探す保護者との関わりを通して 日本人間性心理学会第32回大会(ポスター発表)
  7. 押江隆(2013)コミュニティとともに生きていくということ(スライド)  中田行重(司会)・Patricia Omidian(シンポジスト)・進藤義夫(シンポジスト)・大河内秀人(シンポジスト)・成井香苗(シンポジスト)・押江隆(シンポジスト)・村山正治 (指定討論者)・平井達也(通訳)・渡部麻美子(通訳)コミュニティを元気にするために何ができるか 日本人間性心理学会第32回大会(理事会企画シンポジウム)

講演会・研修会等

  1. 新しい事例検討法『PCAGIP法』を体験する」講師(山口大学教育学部)2013年8月2日
  2. 「第8回瀬戸内心理臨床研究会」講師(山口大学教育学部)2013年9月7日
  3. 「2013年度三大学勉強会」講師(山口大学教育学部)2013年9月29日
  4. Rチュートリアルセミナー」講師(小杉考司氏と共同、中国四国心理学会第69回大会)2013年11月16日
  5. 新しい事例検討法『PCAGIP法』を体験する(第2回)」講師(山口大学教育学部)2013年12月14日

その他

  1. Ubuntu Magazine Japan 2013 Summer(アスキーメディアワークス)一部執筆
  2. うぶんちゅ! まがじん ざっぱ〜ん♪ vol.1(電子書籍)一部執筆
あと、論文やら本の原稿を、大きいものから小さいものも含めて7本書きました。なんというか、忙しかった……。いろいろあって、今年中にアウトプットできていないのがちょっと寂しい。とりあえず近々『M-plusとRによる構造方程式モデリング入門』が出ますよっと。僕はパス解析の章を書きました。ひとつご贔屓に。なんというか、原稿ばかり書いた1年だった……。

地域臨床の分野では、子どものフリースペースコミュニティ『ほたるネット』が急成長してきており、学生相談コミュニティ『HOTちゃぶ』はスロースタートでしたが「HOTちゃぶオープンフェスタ」以降順調に成長してきています。関西の子どものフリースペースコミュニティ『かすたネット』には寄付が集まってきており、新しい人々との出会いもありました。参加者集めで苦労した産業カウンセリングコミュニティ『関西働き方研究所』にも、少しずつ人が集まってきているようです。

山口に新しいコミュニティを立ち上げる話も出てきています。これだけ盛り上がってきたのも、地域のみなさんのおかげです。ありがとうございます。もちろん僕もがんばった。

来年も相変わらず"Just for fun"の精神で、「おもしろいと感じられること」を追いかけ続けられたらいいなあと思っています。

2013年12月13日金曜日

LibreOffice でもオシャレしたい!


この記事は LibreOffice Advent Calendar 2013 の13日目の記事です。kazutan さん引き続き、私こと oshie がお送りします。

LibreOffice にテーマが設定できるのをご存知ですか? 実は LibreOffice のバージョン4以降では、Firefox のテーマを流用することができるんです。

LibreOffice を起動して、[ツール(T)]メニューから[オプション(O)...]をクリックしましょう。[LibreOffice]の[個人設定]を選択すると、次のようなウィンドウが表示されます。


[独自のテーマ(D)]を選択して[テーマを選択(E)]をクリックします。


[Firefoxのテーマを開く(A)]をクリックすると、ブラウザーが開いて Firefox のテーマのページが表示されます。


300,000を超える数のデザインが登録されているのだそうです。目移りしてしまいますね。お気に入りのテーマを見つけたら、アドレスをコピーして LibreOffice の[テーマのアドレス(B)]に貼り付け[OK]をクリック、さらに[OK]をクリックしてオプションのウィンドウを閉じます。

するとこの通り。テーマが適用されました。


これは Christmas Simple ですね。ビビッドレッドがとってもおしゃれなオペレーションです。せっかくのクリスマスシーズンですから、その他いくつかクリスマスっぽいテーマをご紹介しましょう。


こちらは Reindeer。トナカイのテーマですね。シンプルだけど冬っぽさが出ていてかわいい。


Christmas Decorating Lights。華やかですねー。


Happy Snowmen in Snow。とってもかわいい! 子どもさんにも喜んでもらえそうです。

いかがでしたでしょうか? 見た目が変わるだけで、機能がアップするわけではありませんが、テーマを着せ替えるだけで気分が変わります。いろいろなテーマを試して、オシャレでステキなオフィスライフを!

明日は naruoga さんの当番です。よろしくお願いします!

2013年12月7日土曜日

LibreOffice の活用事例:大学教員の場合


この記事は LibreOffice Advent Calendar 2013 の7日目の記事です。再び naruoga さんバトンを渡していただきました。

前回の記事で、 LibreOffice を含む FLOSS がないとさっぱり仕事にならないということを書きました。今回の記事では、大学教員である私が、LibreOffice をどのように活用しているかについて書きたいと思います。

Writer


大学院生時代、博士論文は Writer で書きました(ちなみに修士論文は LibreOffice の前身の OpenOffice.orgで書きました)。その後も多くの原稿を Writer で書いています。講義用のレジュメなども Writer で作っています。ほとんどの場合、不便を感じることはありません。

唯一困るのは、「提出用のファイルのフォーマットは Word 形式に限る」としている学会がほとんどであることです。いまどきの Word は ODF にも対応していますし、なんとかならないですかねえ……。そのような指定がある場合には、Writer で文章を書いて OOXML で保存し、Word で編集し直すという手順をとるようにしています。

その他、名刺も Writer で作っています。

Draw


Writer の次によく使うのは Draw です。地域で活動することの多い私は、よくフライヤーを作成します。上の画像はほたるネットのフライヤーを作っているところです。

以前ある職場で Excel でチラシを作るという職人芸を先輩に見せつけられ、いろんな意味で驚嘆したのをよく覚えています。また、パス解析などのパス図を PowerPoint で描くという芸も見たことがあります。前者は表計算ソフト、後者はプレゼンテーションソフトですし、そんな苦行をせずに素直にドロー系のアプリを使うべきだと思うんです。

なお、Draw の使い方をまとめたマニュアルを、JA 福岡市さん作成されています。役に立つ情報が満載なので、ぜひ一度読んでみてください。

Impress


講義や学会発表では Impress が大活躍しています。Impress にすっかり慣れてしまって、いまや PowerPoint ではうまくスライドが作れません。カッコいい impress.js などに浮気しかかったこともありますが、結局 Impress に戻ってきています。

Calc


Calc は R でとりこむ CSV ファイルを作成するのによく使います。Writer に貼りこむ表を作成するのにも重宝しています。計算はちょっとした集計以外は R に任せているため、Calc ではほとんどしていません。って R はまだまだ修行中の身ですが……。

このように、業務で LibreOffice を使わない日はありません。毎日とっても便利に使っています。妙な翻訳を見かけたら、メーリングリストに報告するようにしています。

以上、私の LibreOffice 活用事例でした。大学教員をはじめ、少しでも多くの人々に LibreOffice を知ってもらえたらいいなあと願っています。

明日は oooug_kamataki さんの当番です。よろしくお願いします!

2013年12月2日月曜日

そこになくて、そこにあるもの


この記事は LibreOffice Advent Calendar 2013 の2日目の記事です。naruoga さんバトンを渡していただきました。このような楽しい企画を用意してくださって、ありがとうございます。

本題に入る前に、私の本業について簡単にご紹介しておこうと思います。私はある地方大学の教員で、専門領域は臨床心理学です。一見すると関係なさそうに思えるかもしれませんが、Ubuntu や LibreOffice など、普段から数々の FLOSS (Free/Libre/Open Source Software) のお世話になっています。というか、FLOSS がないとさっぱり仕事になりません。

特に LibreOffice は研究をはじめ、私が業務でもっとも使用するソフトウェアの一つです。私が普段仕事でどのように LibreOffice を使っているかについては、今週末(7(土))の記事に書きますので、もしご興味がありましたらご覧ください。

LibreOffice は私にとって重要なソフトウェアの一つですが、大した貢献ができているわけではありません。少しだけですが、UI (User Interface) の翻訳案の提案をさせていただいたり、Ubuntu Magazine Japan 2013 Summer に LibreOffice に関する記事を書かせていただいたりしています。

UI の翻訳にあたって、以前こんなことがありました。Impress のメニューの [Minimize Presentation] の翻訳の変更をあわしろいくやさんが提案され、それを受けて私は「[プレゼンテーションの軽量化]はどうでしょうか」とアイデアを出しました。このアイデアは採用され、Impress のメニューには上の画像のように[プレゼンテーションの軽量化]という文字列が表示されています。本当に些細なことではありますが、このメニューを見るたびに、いつもちょっと誇らしい気持ちになります。

その他、Impress の UI の誤訳の修正を提案したり、Calc の関数に関する翻訳を検討したりしてきました。最近はほとんど何もできていないですが……。

では、臨床心理学を専門とし、IT業界については門外漢の私が、なぜ LibreOffice の翻訳に関わろうとするのでしょうか。「翻訳がヘンだと私自身使いづらい」とか、「学生さんにも使ってほしいからもっとよいものにしていきたい」とか、理由はいろいろとあるのですが、一番の理由は先にも書いた「誇らしさ」にあると思っています。

LibreOffice には数多くの人々が関わっています。私のような門外漢にも、関わるチャンスが開かれています。「誇らしさ」を感じる機会が誰にでもあるということです。これはとても素敵なことです。私のような些細な貢献をする者ですら感じるのですから、LibreOffice にはそんな「誇らしさ」がたくさん詰まっているのではないでしょうか。

ところで naruoga さんの発表スライド(OSC 福岡2013の20ページ目には「このコミュニティはステキだぜ!」という言葉が出てきます。私はこの一言が大好きです。「コミュニティをステキだ」と感じることは、技術論ではありません。それは人の思いです。しかし私にとっては、そんな人の思いがとても大切なものに感じられます。LibreOffice をはじめとする FLOSS において、「誇らしい」、「このコミュニティはステキだ」といった人の思いは、とても大切なものなのではないでしょうか。

LibreOffice は単なる「無料のオフィスソフト」では決してありません。ただバイナリをダウンロードしただけでは見えてきませんが、ひとたび関わればそれは、たくさんの人々の、たくさんの思いが詰まったソフトウェアなのです。もしこの記事を読んで、それを少しでも感じていただくことができれば、この記事はその役割を果たしたことになります。

あなたも私のように、「ちょっとした誇らしさ」を感じてみませんか? 翻訳をはじめ、入口はすぐそこにあります。

明日は eno_eno さんが記事を書かれる予定です。よろしくお願いします!