2018年7月1日日曜日

PCE2018(ウィーン)で発表します

パーソン・センタード・セラピーの国際学会PCE2018で発表してきます。7/9(月)20:30からのLate Night Sessionです。こんな夜遅くにやるんですね……? 要約の参考訳はこちら。
演題: コミュニティのための無条件の肯定的関心への挑戦: 病理参照枠を超えて希望を育むために
私は数多くのボランティアスタッフとともに,不登校や発達障害により学校生活が困難な子どもたちのための「コミュニティプレイセラピー(CPT; 押江ら,2015)」に参加しています。私はCPTにおいてパーソン・センタード・セラピーの中核条件を提供しようとしてきました。このプレゼンテーションではその中でも「無条件の肯定的関心(UPR)」を中心に取り上げます。
一般的に「不適応」とみなされる子どもの問題行動は,CPTでは必ずしも問題とはみなされず,自由な行動が許容されます。このような経験を積み重ねた結果として,子どもの「不適応」行動が改善される場面を目撃してきました。
技術が発達し、様々な病理学的メカニズムが次々と解明される私たちのコミュニティでは,多くの問題行動が病理学的モデルによって説明されます。たとえば本田(2013)は,日本では10人のうち1人が自閉症スペクトラムの特性を持っていると主張します。自閉症スペクトラムの視点から社会的コミュニケーションの困難を説明できるのは事実でしょう。しかし大石(2016)は,行動を病理とみなす視点が,人々をますます病理へと追いやる可能性を指摘しています。
Lietaer(1984)は,他者から条件つきの肯定的関心を受けた結果として価値の条件を獲得したクライアントに対して「逆条件づけ」としてUPRが機能していることを論じています。私の経験からUPRは,病理モデルによって条件づけられたこの時代のコミュニティに対する逆条件づけとして,ますます重要になってきていると思われます。
最大の問題はスライドも原稿もまだ完成していないことなのですが……。はたして間に合うのか?
つづく(のか?)