2015年7月7日火曜日

私のボランティア組織論

私は地域臨床研究会という団体を組織し,そこを母体として次の4つのコミュニティを運営しています。
不登校・発達障害児支援グループ かすたネット
不登校や発達障害などにより「学校に困難を感じている子ども」に居場所を提供する,大阪府茨木市のフリースペースです
ほたるネット
不登校や発達障害などにより「学校に困難を感じている子ども」に居場所を提供する,山口県山口市のフリースペースです
関西働き方研究所
「働くこと」に関する不安や悩みを,地域のメンバーの知恵を集めて「研究」する,兵庫県西宮市の「働く人のための相談グループ」です
HOTちゃぶ
「自分の性格について考えたい」,「バイト先の人間関係が難しい」,「自分の将来について考えたい」,「グチを吐きたい」,「人とゆっくり話がしたい」、「自分の気持ちを整理したい」など,いろいろなことをみんなで話し合う,お茶会みたいなグループです
このうち「ボランティア団体」として位置づけられるのは「かすたネット」と「ほたるネット」です。両者ともに,「ボランティアスタッフを募集」しています。

最近しばしば感じるのは,私自身が「ボランティア」という言葉で言い表そうとする意味と,世間一般のイメージが,かけ離れているということです。 巷のイメージではボランティア活動は,とてもまじめというか,「滅私奉公」の精神で行うものと位置づけられているように感じます。しかし,私にとってボランティア活動はそのようなものではありません。

かすたネット/ほたるネットでは子どもさんに居場所を提供する活動をしているわけですが,私はスタッフさんにもできる限り自由に過ごしてもらいたいと考えています。スタッフさんが一人で本を読んだり,落書きをしたりするのも自由です。スタッフさんが「援助者」として振る舞うよりは,好き勝手自由に過ごせていたほうが,かえって子どもさんにとっても援助的であることを,私はこれまでの体験や調査から見出してきました。

以前かすたネットでは,経営状態が行き詰まって収入をどこから得るかを話し合ったときに,スタッフさんから「自分たちも参加費を払えばいい」という声が出て,仰天したことをよく覚えています。スタッフさんの話をよくよく聞いていると,どうやらかすたネットはスタッフさんにとっても居場所になっているとのことらしいのです。

スタッフさんのインタビュー調査をしてみると,「子どもに遊んでもらっている」というような声がたくさん聞かれました。私の見る限り,かすたネットもほたるネットもスタッフさんたちはとてもいい仕事をしてくれているのですが,スタッフさんから見たかすたネットでの活動は「スタッフとして援助している」というよりは,「子どもを楽しませているというだけでなく,自分自身も楽しんでいる」というような体験なのです。

同様の体験は私自身もしていて,いま私は山口に住んでますけど,もともと私は関西の出身で,関西に帰る場所がもうないんですね。でも,引越し後に用事があって関西に行ったついでにかすたネットに参加させていただいたとき,みんながとても暖かく受け入れてくれて,「自分には帰ることのできる場所があった」と感じてとても嬉しかったのをよく覚えています。私自身,かすたネットにすごく救われているわけです。こんなありがたいことはないと思います。

最近でも,スタッフさんからは「この活動はボランティアっぽくない」,「この活動は自分自身も自由に過ごして楽しむわけだからボランティアではない」という声すら聞かれます。しかし,"volunteer"という単語の意味は単に「自発的な活動」であるわけですから,「自由に過ごせる」から,「自分も楽しめるから」という理由で「ボランティアではない」と位置づけるのは,私の考えでは間違っています。まじめなものだけが,滅私奉公するものだけがボランティアではないです。

私は,ボランティア団体を運営する人は,常に「搾取」の問題に敏感であるべきだと思っています。
ボランティア活動においても,参加してくださる方にとって何らかの報酬があるべきです。もし可能なら,ボランティアの方にはお金が支払われるべきです。それが最も効率的な報酬だからです。しかし,経済的な事情等から,必ずしもお金が支払われるわけではないですし,必ずしもお金にならないからこそのボランティア活動であることも多いです。そこで,お金に代わる報酬がボランティア活動には求められると考えています。一切の報酬が提供できなければ,それはすでに搾取です。繰り返しますが,「ボランティアはただで使える都合のよい存在」では決してありません

かすたネットやほたるネットは無償のボランティア活動ですが,これまでの調査の結果から,スタッフさんにはお金の代わりに「子どもだけでなくスタッフさんにとっても居場所になっている」という報酬を提供できていると考えています。ただし,「かすたネット/ほたるネットがスタッフさんにとっても居場所になっている」というのは,運営側,つまり私の思い込みかもしれません。「搾取」の構造になっていないかどうか,運営側が常に意識しておく必要があると思っています。

またボランティアは「自発的な協力者」であるわけですから,決して活動が強制されてはいけません。負担もできることなら大きくない方がよいです。それぞれの力が少しずつ重なりあうことで,大きなことが可能になるような仕組み作りが,ボランティアを組織する上では必要不可欠だと考えます。もし何らかのかたちで活動を強制されるのであれば,その方にはお金が支払われるべきです。

以上の点で,かすたネット/ほたるネットの,「スタッフ各自が自由に過ごすことが,子どもさんにとってもお役に立つ」という組織のあり方は,理想的なボランティア団体のあり方として結構いい線いっていると自負しているのですが,いかがでしょうか。

かすたネットやほたるネットでは子どもさんだけでなくスタッフさんも可能な限り自由に過ごしてほしい,自分がしたいことをしてほしいと考えている理由の1つはこのようなことなのです。 こういうボランティアのあり方もあるのだというのをわかってほしいです。

2015年6月22日月曜日

定時制高校におけるエンカウンター・グループの事例報告: PCAグループ,コミュニティ臨床の視点から

"押江隆・小黒明日香・稲田一善(2014)定時制高校におけるエンカウンター・グループの事例報告──PCAグループ,コミュニティ臨床の視点から 学校メンタルヘルス, 17(2), 182-191."

ブログに書くのが遅くなっちゃいましたが。「つい先日,もう1本別の論文もacceptされて(めでたい!)」とか書いていたのはこの論文のことでした。

これは,とある高校で実施したPCAグループの事例報告ですね。PCAグループの実践仮説はもちろんのこと,それ以上に高校の教員やボランティアスタッフさんとのコラボレーションモデルについて書きたかったのです。そのあたり,もうちょっと書き方を考えないといけないなあと思っています。精進しますです。

2015年5月19日火曜日

結婚式と、誕生日と、家族の物語。

36歳になりました。

父が36歳のとき私は5歳だったわけで、そう考えるとなんだか感慨深いです。とっくに物心ついてる年齢ですよね。まあ、私には私の人生しか歩めないわけで、これでよいのですが。

先日後輩の結婚式に参列して、披露宴ではスピーチまで担当して(実は私が2人のキューピッド役だったのだ。ちょっとした自慢!)、さらに今日誕生日を迎えて、いまぼーっと考えているのは家族のこと。

私は自分がつくる家族のイメージを、ずっと持てないできました。もちろん、家族なんて、あらかじめ具体的なイメージを抱いて、準備してつくるものではないと思うのですが、私にとって「家族」とはどこか否定的なものでした。「幸せな家族」なんていうものは都市伝説級のもので、自分にとってはどこか遠くにある無縁のものだし、そもそも自分のような人間が「家族なるもの」と関わると、私は人を不幸にしてしまうというような、奇妙な思い込みが私の中にありました。

一方で、後輩は立派でした。人様の結婚式の内容を書くなんて、そんな無粋なことはもちろんしませんが、私自身が感じたことを書くと、後輩はこれまでの人生という物語をとらえ直し、これからの物語に向けて位置づけ直すという、とても大きな仕事をやり遂げていました。私にとってそれはとてつもなくすごいことのように感じます。

そんな式に参列して、さらに36歳という、いよいよ30代後半まっさかりに突入して、いま私がしなければならないのは、自分のこれまでの「家族の物語」をとらえ直し、今後に向けて再構成することなんだろうなあなどと、いま、しんみりとぼんやりと考えています。

いくつになっても相変わらずこういうことをくよくよと考えるやつですが、今後ともよろしくお願いします。

2015年3月15日日曜日

新居のAV環境

新居のAV環境を整えたメモ。


こんな感じ。とっても快適です。


安価なテレビラック。組み立てるのは少々面倒でしたが,悪くはないです。


iiyama のディスプレイはいいですね。きれいに発色します。それにしても,27インチのディスプレイが3万円弱で買える時代になったんですね……。Wii U(ゲーム機)を接続していますが,遅延もほとんど感じられないです。


このHDMIセレクターがSTB,ゲーム機(Wii U),BDプレイヤー,Miracastアダプターの切り替えを一手に引き受けてくれています。小さいのにすごいやつ。


ここからディスプレイ,STB,ゲーム機,BDプレイヤー,Miracastアダプターなどなどの電源をとっています。


これがないとACアダプターがごっちゃごちゃになってカオスなことになります。買ってよかった。


Miracastのアダプター。職場でも買いましたが,プライベート用にもう1個買いました。こいつを使ってNexus 5をミラーリングし,dビデオやdアニメストアをディスプレイに映しています。Miracastはほんとに便利ですね。Ubuntuでも動けばいいのになあ。


これ,いいですよ。安価なのに,けっこういい音出ます。USBで給電するのですが, XB2783HSU-B1(ディスプレイ)にUSBハブがついていますので,そこから給電しています。ディスプレイの電源が切れるとスピーカーも自動的に切れるので,なかなかいい組み合わせです。


今回の買い物の唯一の失敗。Wii U Gamepadの電源をWii U本体からとる目的で買いましたが,これをつけるとテレビラックに入らない! テレビラックの奥行きが不足していたのでした。しかたがないので,こいつは封印しています。無念。

この環境,とっても快適なのですが,リモコンで音量を変えられないのがちょっと不便。Z120BW(スピーカー)本体の音量つまみを動かす必要があります。まあ,いいんですけど。

あとはこの環境にPCを加えたいですな。まあ,ブラウザーやYouTube,ニコニコ動画はWii Uにアプリがありますし,そんなに不便はないのですが,やっぱりUbuntuマシンがほしいです。HP Stream Mini 200でも買って,Ubuntuをインストールしますかねえ。

2015年3月9日月曜日

お引っ越ししました

一人暮らしを始めて1ヶ月くらい経ちましたが、いまのところ奇跡的に自炊が続いてます。「どうせ料理しないと思いますけど」と煽られ続けたのがよかったようです(笑)。

簡単なものしか作ってないですけど、料理は楽しいですね。自分の作ったものがおいしかったときの嬉しさといったら。まさか料理するのが楽しみで職場から家に帰る日が来るとはなあ。掃除も洗濯も、いまのところ楽しくやっています。今年の目標は「地に足をつけて生きる」ことでしたが、この調子でいけばいい感じですね。

問題はこれがいつまで続くかやで……。

2015年3月6日金曜日

Ubuntu 14.04にApp::revealupをセットアップ

一瞬でクールなスライドがつくれる「App::revealup」をリリースしました - ゆーすけべー日記
$ sudo apt-get install cpanminus
$ sudo cpanm App::revealup
インストールはこれで終わり。
$ revealup serve slide.md -p [ポート番号(デフォルトは5000)] --theme [CSSファイル名] --transition [トランジション効果]
で起動。詳しくは
$ man App::revealup::cli::serve
を参照。

2015年2月26日木曜日

電子レンジ専用炊飯器備長炭入ちびくろちゃん


一人暮らしをはじめましたが,ちびくろちゃんは一人暮らしにぴったりですね。電子レンジで0.5合から手軽に炊けるのがすばらしいです。レンジで炊いたとは思えないほどおいしいごはんが炊けます。800円弱でとてもリーズナブルですし,これから一人暮らしを始める方は一度試してみてはいかがでしょうか。